腰痛症
ひとくちに腰痛症と言いましても様々な病態があります。現代医学的分類の一つとして、痛みの原因で分類する考え方がありますが、それによると骨由来、筋由来、その他と大きく3つに分けられます。
①骨由来は変形性脊椎症、脊椎分離症、脊柱管狭窄症、圧迫骨折など骨格系の異常によるもの。
②筋由来は急性腰痛(俗にいうギックリ腰)、慢性腰痛(医学的疾患が見受けられないが3ヶ月以上、継続した鈍痛があるもの)で、肥満や筋力不足、不良姿勢、ストレスなど乱れた日常生活、疲労の蓄積、加齢や運動不足による体力低下が原因の根底にあるもの。
③その他は①②以外が原因とされるもので、内臓疾患(胃潰瘍、急性膵炎、結石症、腎炎など)、感染症疾患(結核性脊椎炎、化膿性脊椎炎など)、婦人科系疾患(月経前症候群、月経困難症、子宮内膜症、妊娠~産後)などが原因で発症する腰痛があります。
①~③のどれに当たるかは皆様それぞれ違いますが、鍼灸の適応としては②はもちろん③の婦人科系の月経異常由来のものや妊娠中・産後も含みますので、多くの方が日常で感じているレベルの腰痛の改善には有効だと思います。①の骨由来のものに対しても、痛みの緩和という面ではお役に立てると考えています。
鍼灸施術では東洋医学の見地から、皆様の身体の気・血・津液(水)が現在どのような状態になっているかを察し、それを正常な状態にもっていくことで自然治癒力を高め、無理なく症状の改善を図ります。